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【Xtrfy M3】レビュー ~M4が発売された今、この重量級マウスの立場とは~

www.xtrfy.jp

 

▲前提
 ・手の大きさが普通~大きい人向け(筆者:18.5cm)
 ・軽量マウスじゃなきゃダメアレルギーの人は無理

★レビューまとめ
 ・重さは感じるが、重量バランスが極めて優秀なため無問題。
 ・ビルドクオリティは優秀、挙動も問題なし。
 ・他大型マウス等とは若干異なる形状のため触る価値はある。

■形状
 所謂IE3.0クローンに大別されるものですが、他製品と比べて明らかに異なる部分が2点あります。この2点によって、購入するかが決まると言っても過言ではないと思います。
 その2点は、「マウス右下部分のでっばり」「マウス右上部分のへこみ」です。特に「マウス右下部分のでっばり」については人によってフィーリングが大きく異なる可能性があるはず。

 まず「マウス右下部分のでっばり」について。いきなり他製品の話になりますが、Razer DeathAdderやLogicool G703、Zowieの左右非対称形状の製品は、M3よりでっばりが滑らかです。対してM3は前述のマウスと比較して、でっばりが急です。

www2.razer.com

gaming.logicool.co.jp

zowie.benq.com


 どのような意味を持つのか?それは「マウスを持ち上げ、置くとき」のフィーリングです。私はそのような動作をする場合、クセとして、マウスの右後ろが先に接地します。データがあるわけではありませんが、大抵の人は、常にマウス全体を同時に接地するようなことはないと考えています。
 つまり、接地する際にでっばりが先に当たるため、他マウスとは異なるフィーリングとなります。メーカ側も承知しているのか分かりませんが、左右後ろ・裏側接地面を、マウス全面より多く削り(角度25度・1.5cm程度)、斜め部分を増やすことによって、フィーリングを緩和しようとしているように見受けられます。これ文字で表現するのすごく難しい...

 次に「マウス右上部分のへこみ」。へこみと表現するのがいいのか、くびれとするのがいいのか悩む形状です。端的に言えば、他大型マウスよりもグッと絞られています。個人的には非常に好みですが、他マウスから移行した場合、違和感を感じる可能性は否定できません。正直少し触っていれば慣れる程度のシェイプかと思います。
 では何故問題となる可能性があると考えたのか?それはM3が他IE3.0クローンに比べて大型であるからです。手が非常に大きく、指が太く長い人が握った場合、薬指および小指が置ききれない可能性があります。
 ただし、M3をデザインしたHeaton先生のマウスの持ち方はかなり独特で、薬指・小指をマウスパッド上に置きます(Heaton 持ち方で検索)。それを考慮すると、右上部分のへこみについては十分に理解出来ます。すなわち、薬指に触れないようにあえてシェイプを絞っている、と考えることが出来ます。
 私自身は普通にへこんだ部分に薬指・小指を収めて持っていますが。

 その他、サイドボタンやホイール位置については、手の小さい人以外は問題ないと思います。

 また、かぶせ持ちに特化しているマウスのように記載された他レビューがありますが、個人的にはかぶせ持ち、つかみ持ちまでは十分使用できるマウスだと感じます。


■スイッチ関連
 左右クリックのストロークは極めて普通か、Logicool等のストロークやクリックの軽さが際立つマウスから乗り換えた人には、少しストロークが長く感じるかもしれません。とはいえ、全く問題なく良好です。
 マウス前方のLED部分までなら、どこを押下してもクリックするための圧は変わらない印象です。つまみ持ちの方は厳しいかもしれませんが、かといって重すぎてハゲるといったことはないと思います。
 サイドスイッチはクリスピーな感覚で、ストローク深さも短く、全く問題なく良好かと思います。あえて言えば、マウス前方のLED側のボタン形状に合わない人がいるかもしれませんがごく少数かと。


■重量
 104g。今となれば重量級マウスですが、大型であること、発売時期を考えると通常の重量と表現するのが適切ではないかと考えます。が、現状では重いとされるのは仕方がないかなとも思います。
 重量バランスは極めて良好です。これだけマウスのおしり部分に肉が付きまくっている形状でありながら、マウスを持ち上げた時に感じる重心位置はほぼセンサーと同位置です。ほぼありえないとは思いますが、もしかすると、M2同様に重りが仕込んであるのか...とも考えてしまいます。残念ながら分解画像は見つかりませんでした。あと自分のマウスは分解する気にはなれません。不器用なので。


■その他
 ファームウェアは上げるように。
 コードは布巻きの硬いコードです。マウスバンジー必須。
 挙動は問題なし。LODも問題なし。ド定番PMW3360ですから。
 Heaton先生のサインがでーれーかっこいい。


■立場
 FinalMouseに始まった軽量マウスが全盛の今、M4が発売され、さらにRazer DeathAdder V2という大型軽量マウスが発売された現状で、M3の立場は何なのかと考えたとき、消えゆく運命にあるマウスなのだと理解する必要があります。
 もちろん人によりますが、極めてユニークな形状のM3は、他マウスには無い魅力を十分に備えた逸品だと自分は認識しています。
 可能性は極めて低いなと思っていますが、軽量モデルが発売されればと切に願います。例えばRoccatはKone Pure Owl-Eye を、Kone Pure Ultraとして軽量化し発売しました。Razer DeathAdder V2についてもそうです。
 M3ももちろんのこと、特にM1に関しては様々なレビューで高評価を得ているマウスですので、これの軽量モデル・センサー部のアップグレードされたモデルが発売されれば、M4より注目を集めるマウスとなるのではと考えてしまいます。
 また、最近の傾向として大型マウスはそこまで注目されているとは言えません。単純に大きいマウスは軽量化しにくいという事もあると思います。それより、無線化やクリック感の強化、綺羅びやかなライティングなどの方が、一般受けはいいと言えます。

 軽量マウスが現状で持て囃されているのには、確実に沢山の理由があります。その上で、大型で軽量マウスの選択肢が今よりも増えれば面白いな、と考える今日このごろです。